皆さま、こんにちは、そして、こんばんは。
中小企業診断士の菅野です。
今日のテーマは、「小さな会社の社会貢献の始め方」です。
ぜひ、お付き合いください。
企業の社会貢献とは、収益や合理性を求めるだけではなく、社会や地域住民などに貢献していく活動といわれています。
企業の社会貢献には、例えば環境整備活動やボランティア、関連団体への寄付や寄贈、教育・啓蒙活動など、さまざまな方法があるようです。
一方、社会貢献活動が大切なのはわかるけど、経営環境の変化に追われたり、成長のための投資が必要だったり、経営資源が不足していたりして、なかなか具体的な行動を起こせないといったパターンも少なくないのではないでしょうか。
また、ボランティア団体に入ったものの、友達との交流が主体となってしまい、当初の目的とは違う方向に進んでしまったりするケースもあると思います。
私見ですが、社会貢献活動は、自分から始めるのがいいと思います。そして、その動機は、誰かの役に立ちたいという想いが根底にあるような気がします。
反面、以下のような動機がどこかに潜んでいないか、点検することも大切かもしれません。
例えば、社会貢献をしないことで恥をかきたくない、社会貢献をして罪滅ぼしをしたい、感動体験をしたいさせたい、悲しみや恐怖をいやしたい、商売に役立たせたい、不正が横行する社会に怒り世直しをしたい、プライドを満たしたいなどなど・・・
でも、これらは全て「自分軸」即ち「自己の欲求」からスタートする社会貢献活動になってしまいます。
社会貢献活動は、「他人軸」つまり「世の中のために良いこと」「誰かさんのために役立つこと」から始まるものかもしれません。
経営の現場では、慈悲心に基づいて社会貢献活動を始めた経営者の方は、たくさんいらっしゃると思います。また、その意志を次いで、社会貢献活動を引き継いでいる後継者の方も数多くいらっしゃいます。
このような企業さんに共通するのは、経営の根底に「愛」が根付いていることなのかもしれません。
話しは変わりますが、日本には古来から「三方よし」の精神があります。これは、商売において売り手や買い手が満足するのはもちろん、世間(社会)にも喜ばれるべきだという考え方です。
しかしながら、戦後は特にですが、欧米型の経済至上主義がはびこり、売上や利益を上げることが大事だという風潮が蔓延しました。したがって、「納税すること=社会貢献」と多くの経営者が考えるようになってしまいました。
しかしその後、経済至上主義による企業不祥事が相次いだことから「企業は社会的責任を果たすべきだ」という声が高まり、現在のような社会貢献活動が広がったと言われています。
一方で、中には、何らかの圧力による「社会貢献活動」も広がっていった可能性も否めません。
もちろん、多くの人々や社会に良い影響を与えているのですから否定されるものではありませんが、もし、そうであれば、社会貢献活動そのものが少し色あせて見えるかもしれませんね。
また、中小企業の場合、大企業のような大きな社会貢献を行うことは難しいと思います。
なので、できることから始めていくのがいいのかなと思います。
いくつか、社会貢献活動の具体例をみてみましょう。
- 環境への対応:地球温暖化や環境汚染の危険性を認識し自社の省エネルギー対策を行う
- 法令の遵守:コンプライアンス(法令)を守ることを会社経営の基本とし、社内にも浸透させる
- 就業環境の整備:職場の環境を整え、従業員の健康と安全の維持に努める
- 人権の尊重:従業員や取引先の人種や国籍、性別に関係なく多様性を尊重する企業風土を持つ
- 地域との共存:地域社会の一員としてイベント参加やボランティアなどの活動を行う
- 取引先との相互理解:取引先を対等なパートナーとして、公平かつ公正な取引を行う
- 消費者からの信頼獲得:顧客の安全を最優先にサービスや商品の開発を行い、営業活動において正しい情報を提供する
中小・零細企業では、事業性よりも従業員を始めとする関係者との良好な関係、および堅実な経営施策などが主に行われる傾向がありますね。
最近では、人手不足に悩む会社が少なくないのですが、人が集まる会社に共通しているのは「企業風土の良さ」だと思います。
企業風土を形作るのは、従業員の幸せを心から願う経営者の存在と、上記のような取組を当たり前のように行っているといったことがあげられるかもしれませんね。
社会貢献を当たり前とする会社では、自ら「社会に貢献しよう!」と考えている社長さんが多いように感じます。そのような社長さんは、社員をはじめとして誰かのために、あるいは地域社会のために貢献しようと考えだすと色々アイディアが生まれてくるようです。
社員の幸せを考えれば、平均以上の賃金、会社の良い雰囲気づくり、成長をサポートする体制などが思い浮かぶかもしれませんし、お客様の幸せを考えれば、新たな価値を提供する新商品を開発することが思い浮かぶかもしれません。
また、地域住民の幸せを考えれば、ゴミ拾いなどの清掃活動を行うことや、会社の周りに花を植えるなど思い浮かぶかもしれません。
いずれにしても、多額のお金を使ったり、ボランティア団体に加盟したりしなくても、自社ができることで、社会貢献の一歩を踏み出してみるといったことが大切なのかもしれませんね。
最後までお読みくださりありがとうございました。
皆々様の健康と幸せを心よりお祈りいたします。